IncOder®誘導式角度エンコーダ
- 過酷な環境下での信頼性の高い測定のための非接触技術
- 航空宇宙、防衛、医療、産業用アプリケーションにおいて実証済
- 5億を超える構成オプションがご利用いただけます
ZettlexのIncOderは、非接触で角度を高精度に検出します。誘導技術により、変圧器と同様に作動します。IncOderは誘導式の角度エンコーダです。
IncOderは、ポテンショメータ、光学式や静電容量式のセンサでは信頼性の劣る過酷な環境下での使用に最適です。
IncOderは、それぞれがフラットリング形状のステータとロータの2つの主要部分で構成されています。大口径のため、貫通シャフト、スリップリング、光ファイバー、パイプ、ケーブルを容易に格納できます。
ステータは給電式、ロータは受動的です。ステータに搭載された電子部品に電源が供給されると出力信号を生成します。ステータからの出力信号は、モーションなしにステータに対するロータの絶対的な角度位置を示します。
IncOder誘導式角度エンコーダには専用或いは特別なカップリングは不要で、ロータとステータはホスト製品に簡単にネジ止めすることができます。精密な機械的取り付けは不要で、ベアリングはありません。
光学式または静電容量式の角度エンコーダは、過酷な環境においては特に結露や埃により信頼性が低下する場合があります。Zettlexの角度エンコーダは、通常異物による影響を受けず、IP67定格を達成します。静電容量式センサとは異なり、ロータまたはステータを接地する必要はありません。堅牢な硬質陽極酸化処理アルミ合金ハウジングとモノリシック構造を採用しています。
接触する繊細な部品や摩耗部品はないため、定期的な交換、サービス、保守は不要です。つまり、IncOder角度エンコーダは、真に「取り付けたことを忘れる」センサです。
機械的形式
スクリューおよびサーボマウントステータとスクリュー、セットスクリュー、シャフトクランプおよびプレーンロータの組み合わせ、デュプレックスステータとロータの12種類の機械的形式
IncOderサイズの選択(外径)
37、58、75、90、100、125、150、175、200、225、250、300mm
分解能の選択
9~22ビット、A/Bパルス出力は回転当たりのパルス数を選択可能
接続の選択
アキシャルコネクタ、ラジアルフレキ(コネクタあり/なし)、一体型アキシャルケーブル
電圧の選択
DC5、12または24V
通信インターフェイスの選択
SSI、ASI、SPI、BiSS-C
デジタル + 1V sin/cos
アナログ電圧
A/B/Zパルス
拡張レンジの選択(オプション)
(通常、ほとんどのアプリケーションには不要です)
超高衝撃・振動
-60°Cまでの低温
Surtec650表面仕上げ
IncOder製品レンジに関する情報をお探しですか?ここでは、よくある質問と回答をご覧いただけます。
お知りになりたい内容が見つからない場合は、当社または㈱緑測器までお問い合わせください。
IncOderは、ブラシレスレゾルバや回転可変変圧器と同様のしくみで作動します。IncOderのステータに直流電源が供給されると、ステータとロータとの間に低電力の交流電磁界が生成されます。ロータが回転するとこの電磁界が変化します。電磁界がステータによって検知され、回転角はアナログまたはデジタル信号として検出されます。レゾルバとは異なり、IncOderは、巻線スプールではなく、レイヤー状の回路を使用しています。特許取得済技術により、IncOderでは小型化、軽量、低慣性、高精度を実現し、高精度の取り付けも不要です。
はい。測定値は、電力停止の前と後で変わりません。起動時に原点検出等のモーションは不要です。
はい。BITにより内部エラーが示されるとエラー信号が生成されます。BITには、継続性/損傷、ロータの存在、ロータ配置、全体的な電磁誤動作、ウィンドウウォッチドッグタイマー、パワーオンリセット、電源電圧低下リセット、クロック入力に対するタイムアウト、読み込み/書き込みおよび内蔵フラッシュデータメモリ値のチェックが含まれます。
測定性能は、湿度、結露、汚れ、埃、油、泥、砂などによる影響を受けません。すべてのIncOderは、深さ1mの塩水または淡水中に一時的に浸漬された後でも動作します。液体または浸漬に頻繁に曝される環境での動作には、AFL2またはVFL2コネクタ付きのIncOderをご使用ください。
いいえ。磁石は直流電磁界を生成します。IncOderの動作は、非常に特定の周波数の交流電磁場の検出に基づきます。
製品ガイドに基づき仕様を指定します。理想的には、標準外径「A」寸法(37、58、75、100、125mmなど)と比例した内径が使用されるべきです。これにより、他の機械的形式の標準センサコンポーネントの使用が可能となります。
はい。IncOderは、軍事無人偵察機に頻繁に使用されています。
ロータの同芯度が指定された制限内にある場合、分解能、再現性、精度(直線性)は仕様の通りとなります。同芯度により大幅に精度が低下することを予測されるかも知れませんが、IncOderは、ロータとステータの全面を使用するため、エラーは正反対の位置情報によって相殺されます。これが、厳密に制御された同芯度に依存する光学式や静電容量式などの他のエンコーダ技術とは違う点です。
はい。多くの場合、IncOderは、モーターや変圧器など、強力な電磁ノイズの発生源の近くで使用されています。IncOderのアルミニウムハウジングにより、内部の電子部品の周囲にファラデーケージ効果が生成されます。この技術は、入射、ファーフィールドの電磁放射が自己キャンセルまたは除外されるよう設計されています。
はい。部品番号で、RFC1、RFC2など、径方向の接続選択を指定してください。
伝送距離(ケーブル長)が長くなるほど、推奨されるボーレートは遅くなります。下の表には、推奨されるボーレート対ケーブル長が示されています。
ケーブル長(m) | <30 | <60 | <120 | <250 |
ボーレート | <400 kHz | <300 kHz | <200 kHz | <100 kHz |
Zettlexまたは㈱緑測器までお問い合わせください。
動作温度の制限は、IncOderの基本的な技術ではなく、一部の電子部品によるものです。標準的なIncOderの動作の定格は-40~85°Cですが、低温オプション(12VCTおよび24VCT)では-60°Cでも動作します。IncOderは、お客様による検証・認定により、これらの制限外でも使用することが可能です。85°Cを超える高温下では、持続時間は最小限にしてください。規定の下限以下の低温では、IncOderへの給電を続けるか、動作前に1分間以上の通電時間を設けることが推奨されます。
はい。AFLまたはVFLケーブル接続を使用するか、コネクタの周りに機械的シールを施してください。AFLまたはVFL接続は、100m未満の浸漬で定格とされていますが、一部のアプリケーションでは、深さ100mを超える水または鉱物油に長時間浸漬された状態で使用され、正常に動作しています。アプリケーションの要件が深さ100mを超える長時間の浸漬である場合、お客様による検証・認定が必要です。詳細については当社または㈱緑測器までお問い合わせください。
放射妨害波は小さく、IncOder内部のセンサ面に限られます。IncOderのハウジングにはファラデーケージ効果があります。IncOderは、航行支援装置など影響を受けやすい装置に近接して使用される場合も多くあります。